
【EC事業者向け】リスティング広告の予算・目標獲得件数の決め方とは?

広告発注ドットコム編集部
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【美容業界向け】リスティング広告の予算・目標獲得件数の決め方とは?
はじめに
EC事業者にとって、リスティング広告は購買を具体的に検討している人へ効率的にアプローチできる強力なツールです。
しかし、「必要な予算は?」「どれくらいの成果が見込める?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、EC事業者がリスティング広告を運用する場合に必要な予算・期待できる成果の目安を確認することのできる、簡易的なシミュレーション方法をご紹介します。
この記事を読むことで、目標達成に必要な予算、または、予算内で期待できる成果の目安の確認方法を把握できます。
目次
1.目標件数と予算の決め方
2.シミュレーション方法
2-1.CPA
2-2.平均CPC
2-3.平均CVR
2-4.シミュレーションフロー
3.具体的な数値を用いたシミュレーション
3-1.平均CPC
3-2.平均CVR
3-3.CPA
3-4.目標標件数から予算を決める場合のシミュレーション
3-5.予算から目標件数を決める場合のシミュレーション
4.まとめ
5.注意点
1.目標件数と予算の決め方
リスティング広告の予算と目標件数の決定方法には、大きく分けて2つのパターンがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
どちらのパターンを選択するかは、企業の状況や目標によって異なります。
1. 目標から決めるパターン
先にリスティング広告で獲得する目標件数を定めて、目標を達成するために必要な予算を決めるパターンです。
売上目標など事業戦略と連携させやすいというメリットがあります。
目標設定の根拠が弱い場合、予算だけが先行し費用対効果が悪くなる可能性があることがデメリットです。
2. 予算から決めるパターン
先にリスティング広告に費やす予算を定めて、目標件数を算出するパターンです。
無理のない範囲で予算を決めておけば、仮に目標とした成果がでなくとも損失を最低限に抑えられます。
ただし、目標達成に制約が生じ、事業成長の機会を逃す可能性があります。
ご自身のビジネスの状況や目的に合わせて、最適な予算と目標件数を設定し、効果的なリスティング広告運用を目指してください。
以下では、具体的な数値を用いて、それぞれのフローでのシミュレーション方法を解説します。
2.シミュレーション方法
目標件数から予算を求める場合、その逆の場合、どちらでもCPAを先に決めておく必要があります。
というのも、予算、目標件数は以下の式で求めることになるからです。
予算=CPA×目標件数
目標件数=予算÷CPA
それぞれの数値の関係性は以下のとおりです。
2-1 CPA(顧客獲得単価)
CPAは、1件のコンバージョンを得るためにかかる広告費のことです。
CPAは以下の式で決まるため、CPC(クリック単価)とCVR(コンバージョン率)をシミュレーションすることになります。
CPA=平均CPC÷平均CVR
2−2 平均CPC
CPCは、広告1クリックあたりにかかる費用のことで、キーワードごとに異なります。
CPCについては、Googleキーワードプランナーで具体的なキーワードの平均CPCを確認できます。
設定予定のキーワードを用いてCPCのシミュレーションが可能です。
2-3 平均CVR
CVRは、広告をクリックしたユーザーのうち、実際に目標とする行動を起こした人の割合です。
商品購入やカート投入などのコンバージョンによって、数値が変動します。
ですので、シミュレーションを行う際は、何をコンバージョンとするのかを事前に決めておくと良いでしょう。
また、コンバージョンの種類だけでなく商材によっても左右されるため、取り扱う商材によって想定されるCVRが異なることを考慮する必要があります。
すでに広告運用の実績がある場合は、そのデータを活用するのが最適です。
広告運用を行っていないのであれば、現在運用中のWebサイトのCVRを参考に試算してみるのも良いでしょう。
もし実績がなく、信頼できる数値がない場合は、1%を設定しておいても良いでしょう。
2-4 シミュレーションのフロー
以上を実際にシミュレーションを行う際の順番に整理すると、次の通りです
3. 具体的な数値を用いたシミュレーション
ではここから具体的な数値を用いて計算していきます。
ECサイトには家電や食品など、取り扱う商材にはさまざまなジャンルがありますが、本稿ではファッション関連商品を扱うECサイトを想定しています。
3-1 平均CPC
ファッションECサイトへの集客を目的にするとして、以下のようなキーワードを設定する場合、平均CPCは43円になると予想できます。
- 定額帯:ページ上部に広告を出すための最低限の金額の目安。
- 高額帯:広告をより上部に表示させる場合や、競合が多い時などの金額の目安。
今回は定額帯のCPCを用います。
なお、本記事では小数点以下は切り捨てて計算を行います。
3-2 平均CVR
本記事では、1%を基準と仮定して、各コンバージョンごとに試算していきます。
3-2-1 コンバージョン①商品購入
ユーザーの心理的なハードルが高い商品購入をコンバージョンとする場合は、CVRは低くなるでしょう。
したがって、基準値である1%より低い0.5%とします。
商品購入をコンバージョンとする場合のCVR=0.5%
3-2-2 コンバージョン②カート投入
カート投入は、商品購入に比べると心理的ハードルが低いと思われますので、CVRは高めになるでしょう。
したがって、基準値である1%より高い3%とします。
カート投入をコンバージョンとする場合のCVR=3%
3-3 CPA
前述の通り、CPAは以下の式で計算できます。
CPA=平均CPC÷平均CVR
以上から、各コンバージョンごとのCPAは次の通りです。
- コンバージョン①商品購入
CPA=43円(平均CPC)÷0.5%(平均CVR)=8,600円
- コンバージョン②カート投入
CPA=43円(平均CPC)÷3%(平均CVR)=1,433円
3-4 目標件数から予算を決める場合のシミュレーション
目標件数とCPAが決まっていれば、予算は以下の式で算出できます。
予算=CPA×目標件数
目標件数は、ユーザーからの売上や利益から逆算して決定した数値です。
今回は、例として目標件数を50件とします。
- コンバージョン①商品購入
CPAは、先ほど計算した8,600円です。
予算=8,600円(CPA)×50件(目標件数)=430,000円
- コンバージョン②カート投入
CPAは、先ほど計算した1,433円です。
予算=1,433円(CPA)×50件(目標件数)=71,650円
3-5 予算から目標件数を決める場合のシミュレーション
目標件数は以下の式で算出できます。
目標件数=予算÷CPA
予算には、既に決められている予算を入れてください。
今回は、例として予算を10万円とします。
- コンバージョン①商品購入
CPAは、先ほど計算した8,600円です。
目標件数=10万円(予算)÷8,600円(CPA)=11件
- コンバージョン②カート投入
CPAは、先ほど計算した1,433円です。
目目標件数=10万円(予算)÷1,433円(CPA)=69件
4.まとめ
本記事では、EC事業者がリスティング広告を出す場合の、予算と登録件数のシミュレーション方法を解説しました。
リスティング広告は、適切な目標設定と予算管理を行うことで、費用対効果の高い集客を実現できます。
今回ご紹介したシミュレーションを参考に、自社の目標に合わせた最適な広告戦略を立ててみてください。
5.注意点
この記事で紹介した必要な予算や得られる成果は、簡易的なシミュレーションによる予測値です。
詳細なシミュレーションが必要な場合は、EC事業者の広告運用実績のある代理店や広告発注ドットコムの専門家に相談してください。
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